高齢者の医療(70歳以上)
●高齢受給者と後期高齢者医療制度
 平成20年4月より従来の老人保健制度は全面的に改正され、新たに高齢者医療制度が創設されました。
 高齢者医療制度は、年齢により2つの制度に区分され、65歳〜74歳は「前期高齢者医療制度」、75歳以上(65歳〜74歳の一定の障害のある人を含む。)は「後期高齢者医療制度」の対象となります。
 65歳〜74歳の前期高齢者は、引き続き当組合の被保険者及び被扶養者として当組合に加入し、その内70歳以上の人は従来どおり高齢受給者に該当します。

 70歳から74歳の被保険者等のうち、現役並み所得者以外の一般の者の一部負担金等については、健康保険法では2割負担となっていますが、軽減措置により1割負担となっていました。この措置については平成26年4月1日以降次のとおりとなります。
(1) 平成26年4月1日以降に70歳に達する者(昭和19年4月2日生まれ以降)は、70歳に達する日の属する月の翌月以降の診療分から2割負担となります。
(2) 平成26年3月31日以前に70歳に達した者(昭和14年4月2日〜昭和19年4月1日生まれ)は、従来どおり1割負担となります。
 75歳以上(65歳〜74歳の一定の障害のある人を含む。)の後期高齢者は、当組合から抜けて市区町村の広域連合が運営する「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

区分 窓口 該当者 証明書 自己負担
高齢受給者 健保組合 70歳から75歳未満の者 健保組合では「健康保険高齢受給者証」を事業所経由で交付(自己負担割合を明記)(※1)
2割(※2)
現役並み所得者 3割
後期高齢者医療制度 市区町村 75歳以上の者 (障害認定者は65歳以上) 市区町村では「後期高齢者医療被保険者証」を該当者へ交付(自己負担割合を明記)
1割
現役並み所得者は 3割
※1 齢受給者証の交付は、高齢受給者に該当する月の前月(資格取得等は保険証と同時) までに、事業所を経由して本人に交付します。
※2 平成26年4月1日以前に70歳になった被保険者等は1割となります。
高齢受給者
●自己負担
 高齢受給者の自己負担は2割(平成26年4月1日以前に70歳になった被保険者等は1割)となっています。ただし、現役並み所得者は3割なります。
  また、入院時には、生活療養標準負担として、食費分1食につき420円または460円と居住費分1日370円を負担。住民税非課税者は食費分1食につき100円〜210円と居住費分1日370円を負担。

●高齢受給者の自己負担割合の事例
・現役並み所得のある高齢受給者(本人、被扶養者とも) 3割負担
・一般の高齢受給者 平成26年4月1日以降に70歳に達する者※1 2割負担
平成26年3月31日以前に70歳に達した者※2 1割負担
・被保険者は70歳未満で
 被扶養者が高齢受給者 
上記※1の場合 2割負担
上記※2の場合   1割負担

●健康保険高齢受給者証
 受診の際は病院窓口へ「保険証」と一緒に「健康保険高齢受給者証」を提出します。この「高齢受給者証」の提出がない場合は、「2割負担」の対象者であっても3割を支払う事になりますので注意が必要です。
※ 高齢受給者証交付の時期は、70歳の誕生月の末(資格取得等は保険証と同時) までに、事業所を経由して本人に交付することになっています。ただし、誕生日が1日の場合は誕生月の前月の末までに交付します。
●自己負担と自己負担限度額(高額療養費)
 窓口で支払った次の「自己負担限度額」を超える場合、自己負担限度額までの支払となります。
 なお、当健保組合では、付加給付制度を導入しており、70歳未満の者と同様にこの制度の適用を受ける事になります。

【平成30年8月〜】

区 分

窓口負担

外来自己負担限度額

世帯ごと自己負担限度額

標準報酬月額83万円以上

3

252,600+842,000円を超えた額の1%)
140,100円>

標準報酬月額5379万円

3

167,400+558,000円を超えた額の1%)
93,000円>

標準報酬月額2850万円

3

80,100+267,000円を超えた額の1%)
44,400円>

一般

2

18,000
(年間14.4万円上限)

57,600
44,400円>

低所得者U

2

8,000

24,600

低所得者T

15,000

※1 低所得者とは市町村民税の非課税者等。
※2 3割負担となる「現役並み所得者」とは、健康保険の場合、標準報酬月額28万以上で70歳以上75歳未満の被保険者と、その人の70歳以上75歳未満の被扶養者となります。
ただし、夫婦2人世帯の年収が520万円(単身世帯の場合は383万円)未満の場合、健保組合に届け出れば一般の人として扱われ、2割負担となります。
※3 <>は、多数該当の場合の自己負担限度額 
※4 ( )は、平成30年8月以降開始され、前年8月1日〜本年7月31日までを計算期間とする外来年間合算の上限となります。申請書等の提出が必要となる場合があります。なお、この1年間の期間には、当該期間中に他の保険者から当組合に加入した場合、または当組合から他の保険者に加入された場合も含まれます。具体的な手続きについては、当組合の窓口にご相談ください。
※5
上記のほかに、70歳未満の世帯との合算高額療養費や多数該当の制度もあります。


高額介護合算療養費制度
   当健保組合などの医療保険の医療給付を受けている世帯に介護保険の給付を受けている人がいる場合、1年間の医療保険と介護保険の自己負担を合算し、下表による自己負担限度額を超えた場合に、高額介護合算療養費(以下「同療養費」)が支給されます。(平成2041日施行)
概要は次のとおりとなっています。

1.世帯の単位
当健保組合に加入する被保険者とその被扶養者

2.対象となる期間
81日〜翌年7月末日までの1年間
3.対象となる自己負担額
 医療保険では医療保険における一部負担金の額から高額療養費や付加給付の額を控除した額の合算額が対象となります。介護保険は高額介護サービス費に該当する場合に対象となります。

4.手続等
@ 被保険者は、まず介護保険者(市町村窓口)に、介護用支給申請書により自己負担額の証明書の交付を求めます。
A 被保険者は健保用支給申請書に@の証明書を添付し健保組合に提出します。健保組合ではそれぞれの保険者での自己負担に応じた同療養費を計算、按分し、健保組合分をお支払いします。介護分は介護保険者から支払われます。
B 詳しい内容及び手続は介護保険者の窓口または当健保組合の窓口にご相談ください。
  
5.高額介護合算療養費の自己負担限度額
  【平成30年8月〜】
区   分 70歳未満 70歳〜74
標準報酬月額83万円以上 212万円 212万円
標準報酬月額53万円〜79万円 141万円 141万円
標準報酬月額28万円〜50万円 67万円 67万円
標準報酬月額26万円以下  60万円  56万円

 
     
後期高齢者医療制度
●医療費の負担
 後期高齢者医療の財源は、患者負担を除いた全体の1割を被保険者の保険料で、約5割を公費で、約4割を現役世代の支援金(健保組合等の保険者が負担する後期高齢者支援金)で賄います。
 保険者が負担する支援金は、平成29年度から当該保険者に加入する全被保険者の標準報酬月額等の総額に基づき計算されており、事業主と被保険者が負担している保険料から支払われます。この計算方法を総報酬割といい、被保険者の報酬等の平均額が高い保険者ほど負担が増える仕組みとなっています。当組合はこの平均額が比較的高いことから、今後更に負担が増えて行くことになります。
●75歳以上は後期高齢者医療制度
 国内に居住する75歳以上(一定の障害がある場合は65歳以上)のすべての方が対象となります。 
  75歳以上の被保険者に75歳未満の被扶養者がいる場合、被保険者が後期高齢者医療制度に移行すると、被扶養者も当健保組合の資格を喪失しますので、国民健康保険等への加入手続きが必要となります。

●窓口は市区町村
 後期高齢者医療制度は都道府県ごとに市区町村が加入している広域連合が主体となって運営します。その取り扱いの窓口は市区町村となりますので、詳しくはお住まいの市町村窓口にお問い合わせください。
 
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