病気・ケガをしたとき
●保険証でかかる
 健康保険に加入している人が、業務外の原因で病気・ケガをしたときは、健康保険を扱っている医療機関の窓口へ保険証を差し出せば、診療・治療・薬の支給・入院などの医療を病気・ケガが治るまで受けることができます。医者から処方箋をもらった場合は、保険を扱っている薬局で調剤してもらうことができます。

●業務外の病気・ケガに限る
 健康保険で診療を受けられる病気・ケガは、仕事上以外の原因によるものに限られ、業務上の原因(通勤災害を含む)によるものは健康保険では受けられません。この場合は、労災保険法によって補償を受けることになります(労災の適用については事業所担当課にお問い合わせください。)。また、病気・ケガとは、医師が診療の必要があると認めるものをいいます。単なる疲労とか、美容整形、正常な出産、健康診断などは健康保険で医者にかかれません。

×健康保険ではかかれない事例× 健康保険でかかれる事例
仕事や日常生活に差し障りのないソバカス、アザ、ニキビ、ホクロ、わきがなど 治療を必要とする症状があるもの
回復の見込みがない近視、遠視、乱視、斜視、色盲など 視力に変調があって、保険医に診てもらったときの診察、検査、眼鏡の処方箋
美容のための整形手術 ケガの処置のための整形手術
健康診断、成人病検査、人間ドック 診察の結果、治療が必要と認められた場合の治療
予防注射、予防内服 感染の危険がある場合の破傷風、狂犬病、はしか、百日咳の予防注射
身体の機能に差し障りのない先天性疾患(小耳症、四肢奇形など) 美容のためでなく、社会通念上治療の必要があると認められるもの
正常な妊娠、分娩 妊娠中毒症、異常分娩など、治療する必要があるもの
経済的理由による人工妊娠中絶 母体保護法に基づく人工妊娠中絶



保険診療による医療費の自己負担
 病院の窓口で支払った自己負担額については,付加給付として、その一部が還元される制度があります。

●本人の場合
 診療を受けたつど、毎回医療費の3割を自己負担します。(入院時の食事療養は1食につき360円(H28年3月までは260円)の標準負担額がかかります。)健保組合は残りの7割を負担します。しかし、病気により公費で負担される場合もあります。また、入院等で高額の支出があり、高額療養費制度が適用される場合は、あとで健保組合から支給されます。
●家族の場合
 本人同様医療費の3割を自己負担とます。(義務教育就学前までは2割負担。入院時の食事療養は1食につき360円(H28年3月までは260円)標準負担がかかります。)健保組合は残りの7割(義務教育就学前までは8割)を負担します。その他は本人の場合と同じです。
 
●大病院受診時の定額負担導入
 紹介状なしで大病院などを受診する場合、現在一部の病院では受診時に医療費の一部負担金以外に定額負担が徴収されていますが、4月からは大病院すべてで、原則定額負担(初診5千円・再診2千5百円以上を予定)が義務付けられます。

※70歳以上75歳未満の被保険者および被扶養者の給付や自己負担については⇒

●訪問看護療養費
 在宅患者がかかりつけの医師の承認を受けたうえで、訪問看護ステーションより派遣された看護婦から療養上の世話やその他の看護を受けることができます。具体的には、在宅の末期ガン患者、難病患者、重度障害者(筋ジストロフィー、脳性まひなど)、初老期の脳卒中患者などが対象となります。自己負担分として、かかった費用の3割をステーションに支払います。

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●入院時食事療養費
 入院時の食事療養については、前述の給付とは別に、入院時食事療養費が支給されます。
 入院時食事療養費の額は
、厚生労働大臣が定める食事療養に係る基準額から、入院患者の食事療養標準負担額(1食360円(H28年3月までは260円)。市町村民税非課税者の場合は100~210円)を控除した額となっています。なお、その標準負担額は、被保険者、被扶養者とも同額負担で、高額療養費の対象とはなりません。
 被扶養者の入院食事療養費にかかる給付は、家族療養費としてその費用が支給されます。

●入院時生活療養費
 療養病床に入院する65歳以上の者の生活療養(食事療養並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養をいう。)に要した費用について、保険給付として入院時生活療養費が支給されます。
 入院時生活療養費の額は、厚生労働大臣が定める生活療養に係る基準額から、入院患者の生活療養標準負担額(居住費320円と食費1食420円または460円(市町村民税非課税者の場合の食費は130円または210円)を控除した額となっています。なお、その標準負担額は、被保険者、被扶養者とも同額負担で、高額療養費の対象とはなりません。

 被扶養者の入院食事療養費にかかる給付は、家族療養費としてその費用が支給されます。
 
●高額療養費
 かかった医療費の3割相当額を負担すればよいといっても、特殊な病気にかかったり長期入院したときは、多額な自己負担をしなければならないこともあります。このような場合の負担を軽くするために、1ヶ月の自己負担額が一定の額(自己負担限度額)を超えた場合は、その超えた分があとで健康保険から支給されます。なお、外来時の薬剤負担は高額療養費の対象となる費用に含まれますが、入院時の食事療養に要した費用には含まれません。
  また、高額療養費の算定は次によりレセプト1件ごと(1.各診療月ごと、 2.1人ごと、 3.各病院ごと(外来・入院別、医科・歯科別、旧総合病院では各科別など))に行われます。
※ 高齢者(70歳以上75歳未満)の高額療養費は⇒こちら
※ レセプト ⇒ 診療報酬明細書の通称。医療機関が医療費の健保組合負担分を請求するために発行するもので、診療報酬支払基金を経由し、健保組合に届けられます。
 
次の額を超した分が高額療養費として支給されます
区分 自己負担限度額(1人1ヵ月レセプト1件につき)
標準報酬月額83万円以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
<4月目~140,100円>
標準報酬月額53万円~79万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
<4月目~93,000円>
標準報酬月額28万円~50万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 
<4月目~44,400円>
標準報酬月額26万円以下 57,600円
<4月目~44,400円>
低所得者 35,400円
<4月目~24,600円>
※低所得者とは市区町村民税非課税世帯に属する人。
※< >は、多数回該当の場合の自己負担限度額。

 
高額療養費の負担軽減措置
世帯合算の特例
 同一月、同一世帯で、自己負担額が21,000円を超えるレセプトが2件以上ある場合は、世帯合算して自己負担限度額を超えた分が高額療養費となります。(合算高額療養費)

多数該当の場合の特例
 1年(12ヶ月)の間に同一世帯で3回以上高額療養費に該当した場合は、4回目からは、上記「自己負担限度額」欄の< >の額を超えた分が高額療養費となります。

特定疾病の場合の特例(届出が必要です)
血友病、血液凝固因子製剤によるHIV感染症は、10,000円を超えた分が高額療養費となります。
人工透析を必要とする慢性腎不全の患者については、10,000円を超えた分が高額療養費となります。ただし、上位所得者は20,000円。

●高額療養費の現物給付
 70歳未満の人の医療費が高額になり、高額療養費の支給対象となるときは、同一医療機関の1人、1ヶ月の窓口負担が上記高額療養の自己負担限度額となります。
 ただし、この制度の適用を受けるためには事前に健保組合へ申請し「認定証」の交付を受け、医療機関に提示する必要があります。
 手続き方法等詳しくは⇒


※70歳以上75歳未満の人についても同様の制度の適用がありますが、「高齢受給者証」で確認するため、事前の手続きは必要ありません。


当健保組合の付加給付(医療)
 当健保組合の医療の付加給付で、法定給付にプラスして行う独自の給付です。

●一部負担還元金(本人)
 病院の窓口で支払った自己負担額(1ヶ月、レセプト1件ごと。高額療養費および入院時食事療養にかかる標準負担額は除く。)から25,000円を控除した額(100円未満切り捨て)が支給されます。ただし、控除した額が1,000円未満の場合は支給されません。


家族療養費付加金(家族)
 病院の窓口で支払った自己負担額(1ヶ月、レセプト1件ごと。家族高額療養費および入院時食事療養にかかる標準負担額は除く。)から25,000円を控除した額(100円未満切り捨て)が支給されます。ただし、控除した額が1,000円未満の場合は支給されません。


合算高額療養費付加金(本人・家族)
 合算高額療養費が支給される場合に、その自己負担額の合計額(合算高額療養費および入院時食事療養費にかかる標準負担額は除く。)から1人あたり25,000円を控除した額(100円未満切り捨て)が支給されます。ただし、控除した額が1,000円未満の場合は支給されません。
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●訪問看護療養費付加金(本人)
 訪問看護療養費が支給される場合に1ヶ月の自己負担額の合計額(高額療養費は除く。)から25,000円を控除した額(100円未満切り捨て)が支給されます。ただし、控除した額が1,000円未満の場合は支給されません。


●家族訪問看護療養費付加金(家族)
 家族訪問看護療養費が支給される場合に1ヶ月の自己負担額の合計額(家族高額療養は除く。)から25,000円を控除した額(100円未満切り捨て。)が支給されます。ただし、控除した額が1,000円未満の場合は支給されません。


●支払方法
 これらの付加給付は、病院から健保組合に送られてくる「診療報酬明細書」をもとに計算され、あらかじめ、みなさんが届け出た銀行口座へ自動的に支払われます。支払の時期はおおよそ診療月の3ヶ月後になります。
 法定給付分(高額療養費・家族高額療養費・合算高額療養費)も自動的に計算され、支払われます。



「保険給付金振込依頼書」の届出
 医療の付加給付等は、自動的にみなさんの届け出た銀行口座(健保組合に加入する際に標題の「依頼書」により届出)に支払われるしくみとなっています。この銀行口座、氏名等が変更となった場合は、同依頼書の変更を事業所経由で、速やかに届け出るようお願いします。(任意継続被保険者の場合は健保組合へその旨申し出てください。)



届け出た銀行が変わったとき ⇒ 
様式集へ ⇒ 
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立て替え払いをしたいとき(療養費)

 病気やケガをしたときは、保険証を提示して保険診療を受けることになっています。しかし、旅行先で急病になり、保険証を持っていなかったため、やむを得ず医療機関で自費により診療を受けるようなことがあります。このような場合、一旦医療費の全額を立て替え払いいただき、後日申請により当組合から、健康保険で定められた額の範囲で、療養費として払いもどしを受けることができます。
 
(海外で受診し立替払いしたときの給付はこちらを参照ください 
 
1.給付内容
①提出書類 ㋑療養費支給申請書
㋺領収明細書またはその明細のわかるものと領収書の原本
②提 出 先 勤務先担当課を経由して当組合へ提出。
③支給額 ㋑領収明細書等の内容を保険診療金額に置き換え、その額の7 割を支給。
㋺高額療養費や付加給付も支給。

2.具体的な請求方法

①申請書を準備
 当組合のホームページから「療養費支給申請書」をダウンロードし必要事項を記入します。
     
②申請書を提出
 申請書に領収明細書と領収書を添えて、勤務先担当課経由で当組合へ提出します。
     
③給付金支払
 当組合では申請書の内容を確認、支給額を決定し、指定された銀行口座へお支払いします。


療養費Q&A

コルセット等の治療用装具を作り費用を支払ったのですが、健保組合から払戻しは受けられますか?
 これも療養費として申請に基づき払い戻すことができます。ただし、厚生労働省の使用基準を満たし、かつ、治療上医師が必要と認めたときに限られます。申請は「療養費支給申請書」に「領収書」と「医師の証明書」を添えてください。

自身の都合で保険診療を行っていない病院で治療した場合でも、療養費が支給されますか?
 されません。

その他にも立て替え払いによる給付はあるのでしょうか?
 上記の他に、「移送費」や「輸血の血液(生血)代」も立替払いにより支給される場合があります。詳しくは当組合へお問合せください。

その他の療養費
 上記の他にも柔道整復師にかかったときや、医師が治療の必要を認め、はり・きゅう・あんま・マッサージにかかったときは、療養費の支払いが行われます。
 これらは本来受診者本人が治療費を一旦立て替え払いし、療養費として健保組合に請求することになっています。しかし、現在そのほとんどは、受診者本人が柔道整復師等に治療費の受領を委任し、通常の保険診療同様に3 割負担をするだけで治療を受けることができるようになっています。


差額を自己負担して受けられる治療
 特別な治療、特別なサービスを受けたとき、一定の条件のもとに特別な治療、サービス以外の基礎的な部分について保険給付を受けることができます。これを保険外併用療養費制度といいます。

●保険外併用療養費制度
 病気やケガの治療に必要なものはほとんど健康保険で受けられることになっていますが、新薬や新しい治療法など、医学的に価値が決まっていないものについては健康保険で受けられないことがあります。これら、保険で受けられない診療は全額自己負担となります。ただし、一定の条件を満たしていれば、保険が適用される部分については「保険外併用療養費」として保険給付が行われます。この保険外併用療養費は、次の「評価療養」と「選定療養」に分けられます。
評価療養 医学的な価値が定まっていない新しい治療法や新薬など、将来的に保険導入するか評価される療養で、厚生労働大臣が定めます。
選定療養 患者が特別に望む保険適用外の療養で、保険導入を前提としない療養。差額ベッドや歯科の材料差額などがあります。これも厚生労働大臣が定めたものに限られます。
 
 保険のワクを超える保険外部分は自費で負担しますが、診療・検査・投薬・入院料など保険の枠内の分については保険が適用されることになっ
ています。
 つまり、保険の枠内分は、一般の保険診療に準じて自己負担分(本人および被扶養者は3割(義務教育就学前2割)。入院時の食費については本人被扶養者とも別途負担)を窓口で支払えばよいことになっていて
、残額は健康保険が負担します。 
★保険外診療分(保険枠外) 自己負担
★保険診療分(保険枠内) 給付(「保険外併用療養費」)
患者自己負担(本人3割、被扶養者3割(義務教育就学前2割。食事療養費を除く))
※入院時の食費等については別途負担
   
●患者申出療養
 困難な病気と闘う患者からの申し出により、国内未承認の薬等を使用した治療について、国が安全性、有効性、実施計画の内容を審査、承認を得ると、上記の保険外併用療養費の支給対象となり健康保険での治療と併用して保険外の治療(この部分は全額自費)が受けられるようになります。 

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歯科医にかかるとき
 歯の治療は、通常すべて保険で受けることができます。ただし、歯並びを治すための歯列矯正など保険で認められていない方法を希望したり、14カラットを超える金など保険で認められていない材料を使ったときは自費診療となります。
 このほか金属床の総義歯などについては、保険診療の費用と自費診療の費用の差額だけを負担すればよい場合があります。
 いずれにしても、治療に入る前に歯科医によく聞いて、あとでトラブルの起こらないようにしたください。

保険でできる治療の範囲と内容はこちら ⇒ 

●補綴物維持管理料
 歯科医によっては、金属冠や硬質レンジ前装冠、ジャケット冠、ブリッジなどを保険で治療した場合、治療費に補綴物維持管理料をプラスするところがあります。その場合、もし2年以内にこわれたりして新しくつくり直すときは、その部分の検査費、制作費、装備費は無料となります(初診料やその他の治療費は除く。また6歳以下の乳幼児や在宅治療は対象外)。なお、同管理料をプラスしない歯科医でも2年以内のつくり直しは、検査費、制作費、装備費が通常の7割の料金になります。


保険だけで歯の治療はやってもらえないのでしょうか
必要な治療はすべて保険でやってもらえます。保険だけでは歯の治療ができないということはありません。歯科治療に使う金属には、パラジウム合金など比較的安いものから金や白金など非常に高価なものまでいろいろありますが、治療上どうしても必要な材料については保険でみるようになっており、安い費用で適切な治療が受けられるようになっています。自費診療を希望しないで、すべて保険でできる治療をしてもらいたいときは「保険扱いでお願いします。」とはっきり言ってください。


公費で受けられるとき
 健康保険は、仕事以外でおきた病気やケガについて保険給付を行うのですが、病気の種類や患者の条件によっては、医療費の全額や健康保険の自己負担分を国や地方公共団体が負担するものがいくつかあります。(下表)
 結核予防法では、一般患者の医療費は健康保険が国と都道府県・政令市(保健所を設置する市)に優先して負担することになっており、自己負担については、被保険者、被扶養者ともかかった医療費の一律5%で、残りの自己負担分は公費負担となっています。ところで、他の法令がすべてこの結核予防法と同じわけではありません。それぞれのしくみで運営されています。
 詳しいことは、該当する病気について治療を受けたり入院するときに医師に相談してください。


主な公費負担医療の法律
戦傷病者特別援護法
母体保護法
感染症の予防及び感染症の患者に対す医療に関する法律
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
特定疾患治療研究事業実施要網
公害健康被害の補償等に関する法律
石綿による健康被害の救済に関する法律
被爆者援護法
児童福祉法
母子保健法
生活保護法
障害者自立支援法
予防接種法
独立行政法人医薬品医療機器総合機構法

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